AM2:40 深夜のこと

やっぱり“手術ドキ”だなと思った。

真夜中。

たまたま目覚めると、トイレへ行こうとしていた父が固まっていた。

トイレ前に設置した手すり。そこに捕まりながら、一歩目が出ず、目の前にあるトイレへたどり着けない。

🍎「お父さん、行ける?」

👨「…ちょっと無理かも」

前に立って、手を引きながら、さすり足で一歩一歩。3歩目でようやく扉にふれ、入ることができた。

ところが、終わったあと。

リビングまではなんとか歩いたものの…今度はそこから完全に動けなくなっしまった。

🍎「どうしようか。…とりあえず、椅子に座る?」

👨「ちょっと待てよ」

🍎「お父さん、後ろ振り向ける?」

👨「…」

振り向けない。斜め後ろにあったリビングテーブルの椅子、父の真後ろへ。とりあえず座ってもらう。

完全オフの状態では、体を横に“旋回する”という移動が難しいらしい。

👨「かおりさん、薬そこにある?」

🍎「ちょっと待ってね…」

🍎「これかな?」

👨「そう、それ。」

この会話の前に、何度か立ち上がって、手すりから歩こうとするが、全く歩けない。後ろから腰を押しても、立ち上がるのもしんどそう。

👨「かおりさん…やっぱり」

🍎「?」

👨「やっぱり手術はした方がいいんだろうか」

🍎「お父さん、…わたしは、その方がいいと思う」

👨「…そうか」

🍎「うん」

AM3:24。

服用から、40分経過。少しずつ会話も戻り、スッと立ち上がった。

🍎「わ。…歩けるの??」

👨「うん。効いてきた」

お腹減ったと、台所にあった焼き芋を見つけ、オーブントースターへ。わたしの前をサッサッサッと歩いて、自分でお茶を淹れにゆく。

医学の力ってすごい。

思い知った深夜。パーキンソン病の“オン”と“オフ”状態を肌身で体感することに。やっぱり来月にはDBSをしてもらいたい。

今日キメにいこう、そう思った。

かおりん

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