生まれて初めての感情と向き合う。

うれしい。

きっと父も同じこと思ってる。

会えてうれしい。声がきけるて、こんなに有り難いことだったんだ。

連絡くれてありがとう!ときいて、心底ホッとした。

こんな感情があるなんて知らなかった。

10:00〜面会スタート

当時たくさん心配をかけ続けた“娘”と“息子”から。日曜の朝、家族のような存在はやっぱり一番に駆けつけてくれた。

朝イチのオレは、病室入った瞬間、酸素マスクをつけた父を見ると、目が真っ赤になり「シャチョー」と泣き崩れた。

懐かしい声に目をパチパチさせる父。顔を何回も見て、話しかけようとしていた。

「今から向かう」

父にとってのもう一人の“娘”。迷った挙句、メッセージ送り、洗面所で髪を乾かし戻って確認すると、もう家を出たと連絡あり。

面会がこの二人からのスタートとは。

ミホ来たよー!というと、やっぱり嬉しそう。うんうんと頷いて、顔をじっと見てた。

手もぎゅっと握ってくれてありがとう。

当たり前のように父の手をとってくれたことが、何よりうれしい。

病室隣、談話室。

病室への入室は3名まで。母、妹、私で、一緒に入室する人・談話室テーブルで待機する人・休日玄関へ送迎する人と役割分担して迎え入れた。

20:00前、最後の面会者は今日二度目の訪問となるグループホーム施設長さんと午後来たスタッフさんとは別の父をよくお世話して下さった方。

耳元でたくさんはなしかけてくれた。

時々、術後の足を痛がるターンに入ると、苦しそうな呼吸と合わせて、本当に辛くなる父。でも、みんなの前ではそのターンはこなかった(よかった)。

妹は2夜連続の泊まりへ。

夕方にはネコサン到着。徳山駅迎えに行けなくてごめん。タクシー直行となった。

病室入ると、「お父さん」と話しかけてくれた。

面会者の中では、ネコサンが来てくれた時間が父いちばん呼吸も荒く、足を痛がってたから苦しそうだったかも。

今までにない表情で、父を見つめるネコサン。

そろそろ帰る時間となっても、私はやっぱりなかなか父の手が振り解けなくて、そのまま何十分も続いた。痛いという脚をとにかくさすった。

ネコは何を言うでもなく、ただじっと側にいた。

差し入れを届けたい、家に何時に帰る?の連絡に、後ろ髪を引かれるような気持ち、そっと父の手を置いた。

かおりん