びっくり。

夕方前、鉛のように重たい身体と礼服や靴をもって、徳山駅に到着。

タクシーで向かう予定だったが、妹と母が改札前まで迎えに来てくれていた。

そのまま病院へ直行し、12日の外出をどうするか問題を打ち合わせた後、30分ほど先生の話があってから、父のいる病室へ。正直、かなり緊張して向かった。

昨日の動画の様子から呼吸だけでもかなり苦しむ様子もありうるよね…

すると、え?

ケロッとした表情で目をぱちぱち開けた父がいた。酸素マスクもなし。

あれ?なんか想像と違う。

しかも、目を合わせながらよく喋るやん。

本当にあんなに大きな痰が喉につまってる?

父は時々ゴホゴホ!と咳き込みながらも、話しかける人を見てよく喋った。あまりの反応の良さに、最後は大好きなビートルズのYouTubeを見せると、目で追いかけて、じっくり観ていた。

途中何か、思い出したように、母に話しかけるひと。え?お父さん、元気やん。

これは…数週間前の良い状態(方丈さんや夏希ちゃんが来てくれたとき)に近い?

3人ともびっくり。

会う前に、聞いた先生の話から、12日の外出はやはりナシへ。「とにかく14日の転院が無事できるようにお願いします」と家族としての意志を伝えた直後だった。

熱が下がらず白血球の数値が異常に上がっていたこと、一昨日深夜に窒息しかけたこと、途中は酸素レベル70-80まで下がったこと。

昨日の動画より、もっと苦しむ父を想像しながら(覚悟もして)病室に入ったが…

なんと30分楽しくお喋りできた。

妹「お父さん、テレビつけとこうか?」

父「うん!」

妹「じゃね、また来るからね」

父「うん!(おっけー)」

エレベーター降りて、母と(いいのか悪いのか分からない)大きなため息。引き続き、大きなグローブとコタロウにはがんばってもらおう。

ビートルズを聴かせた直後は、更に反応も良くなり、手を叩いてリズムをとったり。

…人間とは神秘の生き物である、と改めて思い知った。

かおりん