魔物に食われた。無事ではなく、でも終わった。

終わった。

この日のためにどれだけの準備をしてきたか。直後、わたしの方は、今思い返すと、激しいショック脱力感にみまわれていた。

■終わった直後のこと

次の瞬間、気づいたら舞台袖にいた。ホール横の出口、観客は殆ど帰ったあと「ありがとう」とか「そんなことないよ」、神戸から駆けつけたまゆちゃんに言われていた。

■終わったときの感覚がすべて

始まる前、期待していた、観客の高揚感には出会えず。自分自身も何も感じていなかった。いつぶりだろう。この感覚。

少し意識がはっきりしてくると、ワースト1、西宮での試写会を思い出した。語りながら、空中分解していくかんじ。読んでいる最中、ストーリーが全く“来ず”、キモチを置いてきぼりにしながら、話はどんどん前へ進んでしまう。

■演者の心の揺れがすべて

それをどう届けるか。昨日のリハーサルでも、そこで勝負していた。そこ一点に集中。感情移入さえできない、というのはもはや論外で、まさか本番に起こるとも思わない。

今回、気づけば、無感情のままに、あっという間に“父の言葉”。音楽にも、世界にも、何度トライするも【降ろされる】感覚。乗れない。一体なにがおきたのか?

リハーサルでは結局一度も上手く通すことはできなかった。けれど「あ、あともう少し」「本番ではここを越えていけばいい」山頂は見えかけていた。ところが、本番は、麓の駐車場さえ見えない。

最後まで、何も感じることもなく。最初の出だしは悪くなかった。途中までは息もあっていた。どこで、ここまでの【置いてけぼり】状態を起こしたのか。

■「ありがとう」が出てこない

終わった直後。最後のアナウンスはちゃんとできてたか、できてなかったのか、わたし。

待ってくれていた、まゆちゃんとは、二年ぶりの再会。顔みた瞬間、言わなきゃいけない言葉より、ごめんばかり。知ってるから。今日どんな気持ちで来てくれていたか。大変な中、時間をつくってくれ足を運んでくれていた。

家族やちびっこもはじめての人も来ていた。来てくれていた。たくさんの人たちがいた。大切な人たちも呼んでいた。

失敗は買ってでもしろというけれど、こんなものなら要らない。来てくれてありがとう。でも、本当はもっと違った。もっといっしょにみたい世界があった。

プログラム構成や内容もやってみると、反省だらけ。何から何まで反省。よりにもよって、どうしてこのタイミングを見せてしまったんだう。LINEの返事、夜中まとまらず、ごめん。

※読んでくれてありがとう。これに対して、意見や批判や励ましがある場合は、直接の形でしか今はもらえないです。目をみて話せるときに。

かおりん

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