もともと、プペルをやりたいと言い出したのはわたし。一年半前。でも、今回のことで分かった。
きちんと自分の中に“このカタチでやりたい”“この人たちへ届けたい”、そういう軸がなければ、何もかも中途半端になる。
■最高のものが届けられなかったとき
それでも、上手くいったときはいいけれど、今回のように、上手くいかなかったとき、根本の問題が露わになる。
「こんな語り、本当はやりたくなかった」「本番は乳幼児の集中力を切らさないよう、子どもに語りかけるように」。
演者としての膿みたいなキモチ。選んだのはジブン、語る手法は何度も検討し、納得した上で選んでるつもりだった。
ところが三日経って【自分の気持ちを抑え、あの語りを選んだのに恥ずべき結果になってしまった】。え?なにこの感情。私自身が本当のジブン、心を置き去りにしていたかもしれない。
そういえば、「この語りでいくから」前回のリハーサル、出だしのキャラクター読みも、“やるつもり”なのになぜかできない。
どこかで【やりたくない】キモチがあったのか。そのとき、時間のなさを言い訳に、とにかく子どもの尻をたたくように、何度も「出てこい!出てこい!」と語った。最後まで、現れることはなかった。
それならそうといえばいい。でも、言わない、というか自分でも気づかなかった。それほどまでの感情があること。良い塩梅を探せばいいと思っていた。
■どちらにも応えたいキモチ
もしかすると、こういう私の中途半端なキモチが、今回の結果を引き起こしたかもしれない。置いてきぼりにした感情。四日目、今朝起きたては、そう思うようになった。
ヨーコ。大胆な表現の方おしながらも、いつも、最終的な口癖は「かおりがやりたい語りでやろう」「わたしはどんなかおりでも大丈夫」そういってくれていた。決して押しつけることはない。けれど、そこに一抹の不安もあった。
■決めるのは、ジブン
最終的に、どんな語りでやるか・小学生以下にも門戸を広げるか。
ヨーコやみんなの意見を掘り起こしながら、最終的に、決めたのはジブン。語りについても、何度もビデオチェックを重ねて検討を繰り返す。11月の公開リハーサルでの出だし、注意点も頭に、同じ失敗は二度と重ねない。そういう意気込みだった。
■当日、一番来ていたのは“親子・家族連れ”
ところが、本番、ステージに立ち、ハッとする。本番始まる前も、ステージ側から観客を確認したが、どうみても、幼児以下のお子さんとパパ・ママ、親子や家族連れが多い。
👧「扉を開けてビックリした。…私、一瞬、お邪魔してもいいのかな?と思ったよ」
👨「え?あれはちびっこ向けのイベントだろう。え?ちがうの?…悪い悪い(笑)。だけど、あのチラシはどうみてもちびっこ向けと思ったよ」
■一本軸はどこか
まず、根本から考え直したい。
そもそも、わたしは、だれに向けて、何をやりたかったのか。そのために必要なものは何で、それをすることで何を得たいのか。
■今の問題
ここがハッキリしていないから、今も認知のためとか、なんとか。
採算度外視、読み聞かせを無料でいって、とにかく知ってもらおうかとか。保育所へいくか、介護施設へいくかとか。ただ“知名度上げ”のための、労力と時間の無駄遣い、中身のない戦略をとろうとしていた。
■来てほしい人へ届くように
どうせやるなら、本来の自分たちがやりたい方向性を示して(ニッチかもしれないけど)そこに共感してくれる人々へ。きちんと届くようチラシやポスターをデザインし、そしてイベントの中身や構成も(後に言い訳できないよう)練りまくって当日を迎えるべき。
■足りないのは、演出と構成力
内容の完成度はさておき。
本当に足りないのは、演出家と現場監督のないことで起こる、演習力のなさ。来てもらった人が届けたいど真ん中のひとだとして、その人たちに「また来たい」と思わせるには、圧倒的にプログラム構成を練る必要がある。素人がそれを作るなら、せめて“はじまり”と“終わり”くらいきっちりとおさえて作ること。ここにプロがいるわけじゃないから。
2.10を通してたくさんの気づきをえた。目覚めさせてくれたのは、あれれと思いながら、ちびっこ達を前に語った経験と、不甲斐ない完成度の低い本番と、公演後はキャラクターでポップに動き回ればと助言されたこと。
でも、ほんとうにやりたいのは、そんなことじゃない。
来月の大阪は、ずっとさせてもらいたかった会場。
初めて見学に行ってから、早2年以上。KAWAIの会員専用コンサートサロン、響きや重厚感が全くちがう。
姫路での公演をムダにはしたくない。構成やプログラム、はじまりと終わりの演出も改めて考えなおす。
リンゴの本来の絵本ライブ、単独用の【やりたいカタチ】も整理しつつ、当日もしもイマイチの反応でも「これが私たちのやりたいライブやねん」やりきったと思えるように。
今、できることは?
リンゴ本来の語りはまだ戻らない。不安しかない。ここからどうなるかわからない。でもやれることをやり進む。まず、整理。そして振り返りから。
かおりん
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