そう、思い出した。
教師時代のはなし。

そういえば。
意外かもしれないけれど、意外にも、保護者懇談の時間がけっこう好きだった。
担任でもった子達、いいところ沢山(基本的に、いいところがよく見えるタチ)
当時、一人10個ずつくらいは言えたと思う。
懇談は、一人わずか20分くらい。普段の様子を伝えながら、長所5個くらいは伝え、“気にかかる”短所はほどほどに。
家庭での勉強の様子から、その子が本当は何に向いているか。親御さんと真剣に語り合うこともあった。

たぶん、担任でもった子どもの数分。その子の未来を考えた。
保護者懇談の後半は、そうなるときが多く「先生、実は…うちの子、NASAで働くのが夢なんです!」。突然のカミングアウトがあったり。
これは、教師冥利につきる、というか。
普段家庭でみられている親御さんと、途中から作戦会議みたくなる。学力の遅れが不安な親には「大丈夫です」と伝えながら、途中から、その子の夢を語る時間になったり。
大人にも、強みがあるように、どんな子にもその子の良さが必ずある。今は見えないかもしれない可能性の芽に気づいてもらうこと。

授業は、その子の学力(要は強く生きる力をつけるが目的)を応援するとき。
懇談では、その子の親を応援し、将来を一緒に見据えるとき。
大げさかもしれないけど。
私にとって、そんな時間。懇談を終えると、ますます一人一人の課題を考えながら、日頃の授業や学級経営に結びつけることができた。

かけた分の愛情だけ、はね返る。
懇談で、その都度会った、お母さんやお父さんを見ながら、普段のその子の様子に“なるほどな”と合点がいく。
5年間。わたしの心もゆっくりと育ててもらった時間。
あの子たちは、今、もう、高校生、大学生くらい?いまだ、忘れられない名前がある。わたしも彼らに育ててもらったから。
担任した分だけ、真剣に一人一人の夢を考えた。
ふしぎ。
あのときの子どもたちも顔が浮かぶけれど、話し合った親御さんたちの顔も、今でもずっと覚えているよ。
かおりん
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